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ART IN TOKYO YNK 2025
「Art in Tokyo YNK」は、Yaesu、Nihonbashi、Kyobashi、から「新しいアートを発信していく」プロジェクトであり、東京スクエアガーデンアートギャラリーのエントランスで毎年行われる、若手アーティストによる現代アート展です。
それぞれの作品が持つ魅力と作品同士の調和する空間が、ビジネスパーソンの行き交うこのYNKエリアに、華やかさと新たな感性を吹き込んでくれるでしょう。
展示ディレクター
TOKYO CONTEMPORARY KYOBASHI
※TOKYO CONTEMPORARY KYOBASHIは、東京・京橋から現代アートの発信を行うことを目的に2021年に始動したプロジェクトです
Shifting Visions — 視点はいくつも変わりゆく
変わること、見ること、生きること。6人が描く“変動するリアル”。
第7弾の「Art in Tokyo YNK」は、岡崎実央、菊池玲生、AKIY、浦山直樹、MEG、B.S.M Billyの6名のアーティストによる展示を行います。
今年のテーマは、【Shifting Visions — 視点はいくつも変わりゆく】
変わること、見ること、生きること。六人のアーティストがそれぞれの視点から、“変動するリアル”を描き出します。
現代社会において、私たちは絶えず変化する価値観や環境の中で、自らの「視点」を更新しながら日々を生きています。本展では、表層と深層のあいだ、現実と幻想のあいだにある「視ること」の多様性を提示します。
MEGは感情のレイヤーを、菊池玲生は“見る”行為の構造を、AKI山はひび割れの中に希望を見出します。Billy Hung(B.S.M)は夢と現実の境界を旅し、岡崎は多視点からエンターテインメントのリアルを再構成し、浦山直樹は生命のエネルギーを幻想と写実のあいだに描き出します。
それぞれの作品が持つまなざしは、ビジネスパーソンが行き交う東京スクエアガーデンの空間に、多層的な“視点の変化”と新しい感性をもたらします。
会場に訪れるビジネスパーソンにとっても、日常の枠を超えた刺激的な体験をご提供出来ればと思います。
アーティスト紹介
岡崎実央|Mio Okazaki
1995年北海道札幌市生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科を卒業後、株式会社ベースボール・マガジン社週刊プロレス編集部に就職。アートとプロレスをかけ合わせた不定期連載「闘藝」を担当。現在は退職し、プロレスをモチーフとした作品を多く制作。
●コメント
高校時代にプロレスの沼にはまり、大学卒業後は2021年まで週刊プロレスの記者として、取材やアート企画を担当し、同誌40周年の企画で記念Tシャツをデザインした。プロレスや格闘技は、リングを中心に360度を観客が囲んでおり、席によって見え方が異なる。それぞれの席・視点には、闘いの美しさや迫力があり、その多様な視点をキュビズムの画法で表現することで、写真や映像では伝えられないプロレスや格闘技の魅力を描きだす。ピカソやブラックなどに代表されるキュビズムは、様々な角度から見た対象の形を一つの画面に収める古くからある技法だが、そこにプロレスを掛け合わせ、時に歓声や音も描きこみ、プロレスへの愛を画面全体に描きこむ。
●作品
菊池玲生|KIKUCHI REO
菊池玲生は、歴史的な絵画イメージを再構成しながら、私たちが「見る」という行為そのものを問い直す作品を制作しています。 彼の関心は、絵画の技法や素材ではなく、私たちが絵画をどのように認識し、作用するのかという認識論的な側面にあります。
AIによって無限に視覚メディアが生成される現代において、彼の作品は「見ること」の意味を再考させます。絵画を単なる視覚的対象ではなく、環境や鑑賞者との関係の中で有機的に成立するものとして機能し得るのかを探求しています。
●コメント
今回、初めて同じ会場で〈Copy and Paste〉と〈Seen being seen〉、2つのシリーズを展観します。作家の自己紹介として、過不足ない一覧性を持つことを期待しています。〈Copy and paste〉は、既存のイメージをデジタルデータとして反復し、作家の手によって描かれることで絵画、写真における「一回性」や「同一性」を扱います。〈Seen being seen〉は、青焼き写真を使用した作品です。鏡や肖像、枠内に誰かを所有する形を書き込みますが、視線のありかた、ベクトルによってこちらが所有される可能性を含みます。
●作品
AKI山|AKIY
偶然作品に入った「ヒビ割れ」。その「ヒビ割れ」からは、下層に塗り隠されていたはずのアクリル絵の具が覗いた。本来ネガティブにとらえられることの多い「ヒビ割れ」だが、「何かが壊れたとしても、そこから新しい可能性が生まれてくる。このヒビ割れの下から覗く色は、希望の光としてみることができるのではないか」。そう感じた私は、この作風を追究していくと決意し、「ヒビ割れ」をコントロールすべく試行錯誤を重ね、思い描いた通りの形や深さの「ヒビ割れ」を作品の上に走らせていく、独自の技法へと昇華した。どんなことがあっても、何度壊れても、壊れているように見えても、その奥には希望があると思える。そのような作品を生み出していくことが、私の今後の使命であると思う。
●コメント
私の作品は、鑑賞する人の視点や環境によって作品の意味が複数表出する。何を見出すかは、鑑賞する人の自由である。目につくところを、自由に観て感じていただければと思う。
●作品
浦山直樹|Naoki Urayama
1975年千葉出身/東京在住 東京デザイナー学院グラフィック科卒業後、デザイン事務所に所属しグラフィックデザイナーとして働きながら、2020年よりアクリル絵の具を使用した制作を始める。2024年から会社員をしながら作家活動を本格的に始める。
●コメント
幼少期より日本の漫画やアニメに見られる自由な誇張表現、特に鳥山明(Akira Toriyama 1955-2024)の冒険心に満ちた世界観や、キャラクターをディフォルメする手法からも大きな影響を受けると同時に西洋絵画のアルブレヒト・デューラー(Albrecht Durer 1471-1528)の構図や質感表現に影響を受ける。リアリズムとディフォルメといったこれら異なる要素を融合させる独自の視点を活かし動物を擬人化するアプローチによって動物が持つ力強さや美しさ、生きるということを表現した制作を行い、鑑賞者に「生命賛歌」日常生活で見過ごされそうな生命の美しさや儚さに気づき、心の癒しを感じてもらえることを願っている。
●作品
MEG
神奈川県横浜市生まれ。コロナ禍をきっかけに時間の有限さを実感し、2022年より本格的にアーティストとしての活動を開始。以降、国内外の個展やグループ展、アートフェアに積極的に参加し、独自の表現を追求している。
学生時代に約10年間取り組んだ武道の経験から、上下関係や忖度といった「自己の抑圧」を深く体感する。その背景をもとに、「自己の解放」や「人の感情」をテーマとした《Libertyシリーズ》や《Emotionsシリーズ》を展開している。
MEGの作品は、自由への渇望とともに、人間が時に”感情を偽る”という行為に内在する美しさにも光を当て、対照的な人間の本質を繊細かつ力強く描き出している。
●コメント
人が自分の感情をコントロールする背景には、社会の中で生き抜くための強さや、他者を思いやるための優しさといった、「人間らしい美しさ」があると私は考えています。 その美しさを表現するために、本心のまま素直に生きる動物のシルエットに“作られた笑顔”を重ねることで、人が見せる感情(表層)と、見せない感情(深層)の乖離を映し出すように描いています。 このシリーズを通して、人の内側にある「生きる美しさ」に目を向けることの大切さや、表面だけで人を判断してしまう無意識の偏見に気づくきっかけになればと願っています。
●作品
B.S.M Billy
絶え間なく変革を続けるグラフィティアーティストB.S.M Billy。将来有望な弁護士としてのキャリアを離れ、昨年日本で初めて作品を発表した。香港在住の作家で、海外のアートフェアで完売するなど注目を集めている。人は表面上と背後にある概念の両面を持ち、ネオンの光は自己アイデンティティを表し、隠された部分をネオンライトが照らされることで光り輝く。その2つの側面を「フォーチュンキャット」に表した作品などを描いている。国内海外問わずますます活躍が期待される。
●コメント
「招き猫 50:50(Maneki Neko 50:50)」は、現代の存在における二面性を探求した作品です。私たちが機会を引き寄せ、社会的な規範に溶け込むために演じる「広く受け入れられる愛らしい仮面」——そうした作為的な表層の奥に本質的な輝き、つまり真の自己が潜んでいると私は考えます。この内なる光は誰もが持つものですが、自らを守るために築いた層に覆い隠されがちです。作品では、鮮やかなネオン光が招き猫の形を貫き、隠されながらも押し殺せない真の色彩を象徴しています。
個人的な次元において、ネオンは自己のアイデンティティそのものです。それは私の存在の不可欠な断片であり、失われゆく古き香港の風景へと続く光の架け橋——過去の輝きを、現在の私の中に留める手法なのです。
●作品
ART IN TOKYO YNK 2025
開催日程:11月18日(火)~2026年1月30日(金)
※土日祝、年末年始閉館
開催時間:10:00~19:00 ※最終日は18:00まで
会場:東京スクエアガーデンアートギャラリー(1階オフィスエントランスホール)
入場料:無料
主催:TOKYO CONTEMPORARY KYOBASHI
協力:東京スクエアガーデン、四季彩舎、TOMOHIKO YOSHINO GALLERY
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/art_in_tokyo_ynk/













